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二次小説【アンパンマンとカレーパンマン】~「一輪の花」~

「一輪の花」

作・ぱんのミミ


雲一つない青空の下─────

広い草原の中にポツンとある石の上に彼は一人座っていた。

「アンパンマン!」

カレーパンマンは空から声をかけるとクルリと一つ旋回して石の上に座っているアンパンマンの隣に降り立った。

「何してるんだ?」

カレーパンマンが言うと

「花を見てたんだ」

アンパンマンがにっこり微笑む。手には白い花が一輪握られていた。

「花ぁ?ショクパンマンでもあるまいし」

呆れたように言うカレーパンマンにアンパンマンはまたフフっと笑った。

「さっき女の子にもらったんだよ。前にお腹がすいて泣いていたからぼくの頭を分けてあげたんだ。今日また会ったらこの間のお礼
にってこの花をくれたんだよ」

嬉しそうに見上げるアンパンマンにカレーパンマンは

「ふーん、そんな一輪だけの花なんかもらったって食べられないしなんの役にも立たないじゃないか」

そう言うと腰に手を当てアンパンマンが持っている花に顔を寄せてじっと見た。

「うん、でもこれを見てると胸の中がぽかぽかと温かいんだ。女の子の気持ちがとっても嬉しいからだね」

幸せそうな顔をしてアンパンマンもまた花をじっと見ている。

「そっか……」

カレーパンマンもそんなアンパンマンを見ていたらなんだか胸が温かくなってきた。

「パン工場に帰ってバタコさんに活けてもらえよ。押し花にするとかさ。枯れちまうぜ」

アンパンマンはびっくりしてカレーパンマンを見た。

「カレーパンマンでも押し花なんて知ってるんだ」

「なんだよ。オレだってそれくらい知ってるさ」

得意気に胸を反らせチラリとアンパンマンを見ると目が合い二人で笑いあった。

「帰ろうぜ」

「うん」

一輪の花を手にしたアンパンマンとカレーパンマンは背中のマントを翻し青い空へと飛び立った。

飛びながらアンパンマンはカレーパンマンに笑いかける。

「カレーパンマンって結構優しいよね」

「結構は余計だろ」

二人は仲良くパン工場へと向かったのでした。



<おしまい>

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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>13~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>13~」

作・Crescent(瑞月)




『ティアドロップさん、もしかしたら余計なことをお伝えすることになるかも知れませんが、ティアドロップさんは「竪琴の調べ」と言うブログをご存知ですか?私もつい最近知ったのですが、こちらのブログ、ティアドロップさんのブログに良く似ているのです・・・』

数人の読者から、静香のブログにそんな声が届くようになってきていた。

静香を気遣うようなメールを読みながら、そっと小さなため息を漏らした。

「竪琴の調べ」を知っているも何も、その管理人である「竪琴」とはメールをやり取りするほどの仲である。

だけど、静香の口から「竪琴=紫」であると公表することは出来ない。

恐らくだけど、「竪琴=紫」であると周知されれば

(そうか、竪琴さんはティアドロップさんのブログの読者の人だったんだ。なるほど、道理で)

と皆は納得してくれるのではないか、と言う気がする。

同じジャンル、同じCPを扱うブログの内容がどこか類似性を持ってしまうのは、これは仕方のないことだと静香も思っている。

だから静香の中にある一番の引っ掛かりは、「似ていること」ではなく、紫が「竪琴=紫」であると公表していないことだった。

何件かの読者からのメールを読み、静香は紫にメールをすることを決めた。

(やっぱり直接、紫さんに言ってみよう)

似ているブログがある、と言うメールを何件かもらったこと。

自分の口から、「竪琴=紫」と言えなくて困っていること。

それを正直に伝えれば、きっと紫さんは善処してくれるに違いない。

紫にだって悪気があるわけではないだろう。

きっと

『まぁ、すみません。すぐに自分のブログで、私がティアドロップさんの読者であったことを皆さんにお伝えしますね』

そんな風に言ってきてくれるに違いない。

静香は慎重に言葉を選んでメールを書き始めた。

少し言葉を間違えたら、もしかしたら紫は自責の念を感じてブログを閉鎖したりしてしまうかも知れない・・・

そんな心配が静香にはある。

今までの付き合いから、紫はそれくらい丁寧で、腰の低い物の言い方をする人物であると言う認識が静香の中にはある。

せっかく立ち上げたブログを、私の言葉が原因で閉鎖させるようなことにするわけには行かない。

何度も考えた文面を、静香は祈るような気持ちで送付した。

───どうか、私の気持ちが曲解されずにまっすぐに紫さんに届きますように。

───このメールがもとで、紫さんがブログを辞めたりしませんように。

すぐには返信は来ず、その時間が長ければ長いほど

(紫さんを傷つけてしまったのかも知れない)

静香の心は沈み、後悔の気持ちが大きくなっていった。

(まだ来ない・・)

パソコンの前で重苦しい気持ちでいた静香は

(えっ)

思わず身を乗り出した。

(紫さんがブログを更新している・・・)

静香も紫も登録している、ブログのランキングのサイトに、紫の新着記事が載っていたのだ。

それは普通の創作小説記事である。

自分のメールを読み、返信も出来ない程に落ち込んでいるとばかり思っていたのに・・・。

ほどなくして紫からメールが届いた。

『・・・もうティアドロップさんのブログには訪問しません。私はティアドロップさんのブログが大好きでした。私はティアドロップさんになりたい。恩を仇で返すようで申し訳ありません。最後なので、この名前で書かせていただきます。──紫』

メールには決別の言葉だけが書かれていた。




~続く~


瑞月です。
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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>12~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>12~」

作・Crescent(瑞月)




「紫」が「竪琴」であると知っているのは静香だけ───

それは静香の中で、思いも寄らない程の重圧となっていた。

例えば、静香のブログに頻繁にコメントを残してくれる、いわゆる「常連さん」と呼べる読者が複数人いたとすると、読者同士も「良く見る名前」としてお互いを認識し合うようになる。

ある日、静香のブログの「常連」である「カナリヤさん」が、紫のブログにコメントを残した。

紫が「スカイ」が部長を務めるサークルに作品を投稿したことにより、紫のブログの知名度が上がったのである。

『竪琴さま、初めまして。カナリヤと申します。作品を楽しく読ませていただきました。竪琴さまの書かれている通り、このヒーローの魅力は・・・』

『カナリヤさま、初めまして。当ブログのご訪問いただきありがとうございます。竪琴と申します・・・』

───初めまして、じゃないのに。

───竪琴さんは、カナリヤさんもよく知る紫さんなのよ。

顔の見えないネット上で、異なるハンドルネームを持つということは、別人として振る舞えると言うことなのだ。

自ブログとSNSとでハンドルネームを使い分けるなど、全くのジャンル違いなら、異なるハンドルネームを持つことも「アリ」だと思うし、むしろそうしている人の方が多いと思える。

しかし、同ジャンルの同CPを扱うブログを運営しながら、書き手と読み手として2つのハンドルネームを持つと言うのは・・・

「スカイ」率いるサークルへの投稿も、当然、「竪琴」で行っており、この時点で「紫=竪琴」と知っているのは、文字通り静香だけである。

気にし過ぎと言われればそれまでだけど、どこかで見た言い回し、似たような考察記事。

「・・・」

紫が記事をアップするたび、静香の中にやりきれない思いが蓄積されていく。

ある日のこと、紫が注意書きと共にひとつの話をアップした。

「私にとって、初めてのR記事です。それ程の濃い内容ではありませんが、閲覧ご注意下さい」

その話を読んだ静香は、文字通り、パソコンの前で固まってしまった。

静香が、別館の中で主人公に言わせた台詞が、そのまま使われていたのだ。

それは、恋人たちが行為のクライマックスの中、ヒーローがヒロインに向かい

「ぼくの名前を呼んで・・!」

と言うものだった。

その記事を静香がアップした時、それに関して紫から

「このヒーローの言葉にグっときました」

とメールをもらっているのである。

静香が、パスワード付きの別館と言うごく限られた場所でアップした内容を、公開している───

紫のその記事にもコメントが入った。

『ヒーローの、この言葉に悶えました!』

『私も言われてみたいです!』

静香の別館を読んだことがない人から見たら、それは初めてみるヒーローの言葉と映るのだろう。

───ひどいわ、紫さん・・・

パソコンの前に座る静香の頬に、一筋の涙が伝った。





~続く~


ご無沙汰しております、瑞月です。
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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>11~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>11~」

作・Crescent(瑞月)




紫が「竪琴」と言う管理人名で『竪琴の調べ』を立ち上げた後も、静香と紫の付き合いは続いていた。

紫からは静香のブログに「紫」の名でコメントが入り、メールでのやり取りもする。

ある時、メールの中でドラマのヒーローの「髪」について話したことがあり、静香は

【私のイメージでは、彼の髪は、硬すぎず柔らかすぎず、素直な髪質なんじゃないかと思うんです】

こう書いた。

すると、後日、アップされた「竪琴の調べ」の考察記事に

『・・・彼の髪は、硬すぎず柔らかすぎず、素直な髪質なのではないかと言うのが、管理人の考えです』

とあった。

(これって、私がメールで書いたことだわ・・)

記事を読んだ静香は驚き、心の中に苦みが走った。

そして、もう一つ静香は気になったのは、紫が自身のことをブログ上で「管理人」と呼んでいることである。

実は、静香もブログ上で自分のことを「管理人」と呼んでいた。

それはブログ開設時に、考えて決めたことだった。

静香には、とにかくドラマ一色のブログにしたいと言う思いがあった。

そのために決めたことは、なるべく自分(個)を出さずにいようと言う事で、それには自分のことを「私」と呼ぶよりも「管理人」と呼ぶ方が相応しいように思ったのだ。

だから、静香はブログで考察記事を書く時は

『私はそう思います』

ではなく

『管理人はそう思います』

と書いていた。

紫がそう書いていることも、もちろん偶然だとは思う。

自分のことを「管理人」と呼んでいるブログはたくさんある。

人に言えば、「気にし過ぎ」と笑い飛ばされるくらいのことだろう。

そう思う側から、やりきれないざらりとした思いが静香の心に広がって行く。

静香はたくさんの他の人のブログを見るうち、ブログにはそれぞれにカラーと呼べるものがあることに気が付いていた。

かっちりと固めな文章の、テレビに例えて言うならNHKのようなブログ。

ざっくばらんでフレンドリーなブログ。

静かで落ち着いた雰囲気のブログ。

カラー、スタイル、テイスト。

そんな言葉で表せられるような、それぞれのブログの特徴と言えるもの。

それらを決定づけるものは、やはり文章であり、管理人が自分のことを「私」と一人称で呼ぶのか、または呼ばないで他の呼び方をしていたり、そもそもその表現を巧みに避けていたり───

それがブログの印象を左右している、と静香は思っていた。

静香が紫のブログを最初に見た時に

(なんか私のブログに似てる・・)

と思ったのは、「カラー」が似ている、と思ったのだろう、と静香は今さらながら気付いた。

そしてそれは紫が記事の中で自分のことを「管理人」と呼んでいることにも大きく関係しているのだろうと思った。

髪の話のことも、紫からの返信の中で

【そうですよね、私もそう思います】

と書いてあった。

だから、ヒーローの髪質については、元から共通認識があったのだろうとは思う。

だけど───

(もしも私だったら、この記事を上げる時『少し前、紫さんとメールでもお話したのですが』と一言、書き加えるのに・・・)

それは静香に取っての、ひとつの「筋の通し方」だった。

仮にもネット上で何かを公表するのであれば、そのソース(情報源)を明確にしておきたいと言う思いがある。

だから、もし誰かとの会話の中で思い付いたネタがあれば、本人にも記事にしていいかの了解を取り、記事上でもそのことを書いていた。

静香とのやり取りは「紫」で行い、ブログは「竪琴」の名前でアップする。

紫に自覚があるのかないのかは分からないけれど、どこか静香のブログとカラーの似た紫のブログ。

「紫」が「竪琴」であると知っているのは静香だけ。

(紫さん、何だか・・・ズルいわ・・)

(ううん、こんな風に思う私がおかしいのかも知れない・・)

静香はパソコンの前でため息を吐いた。





~続く~


瑞月です。
応援コメント、ありがとうございます。
ありちゃんさんも、静香ちゃんへの応援のお言葉をありがとうございます。
with you..さん、更新作業、いつもありがとうございます。

こうして書いていると、普段は静まっている苦い思いが甦ってきて、心がざわついてきます。
でも、書くと決めたから書きます。
最後までお付き合いいただき事の顛末まで見守っていただけたら幸いです。


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韓ドラ二次小説【~「素敵なヒト」~】

~「素敵なヒト」~

作・ありちゃん





素敵なヒトに出会った。


バイト先のカフェで、窓拭きをしていたの。
高い所は背が届かなくて、ぴょんぴょんとジャンプしながら拭いていた。
何度目かのジャンプの後、着地に失敗して倒れそうになって・・・

「きゃあっ!」

盛大に叫び声を上げて、頭から床に突っ込みそうになる。
ぎゅっと目を瞑った。

ん?

あたし、宙に浮いてる?


違う。
誰かが抱き留めてくれてるんだ。


「大丈夫かい?」


そーっと目を開けると、男のヒトがあたしの顔を覗き込んでいた。

「立てる?」

こくこくと頷いて、私は身体を起こした。
そのヒトはあたしの手を取って支えてくれた。

「すみません!」

「いや、怪我がなくて良かったよ。」

「あ、ありがとうございます!!」

「高い所は、踏み台を使った方がいいね。」

そのヒトは、くすりと笑って店の奥に入って行った。

思わず、その後ろ姿をぼーっと眺めていたら、先輩に大声で呼ばれた。
あたしは慌ててキッチンに向かう。


はあぁ。

素敵なヒト、だったな。



◇◇◇



いつも行ってるフレッシュジュースのお店。
そこのオンニ(お姉さん)も素敵なヒトで、あたしはオンニに憧れていた。



「オンニ!素敵なヒトに出会ったの!」

オンニはジュースのカップを手渡してくれながら、ふふ、と笑った。

「へぇ、どんな人?・・・どこで会ったの?」

「バイト先!背が高くてね、笑顔がとっても素敵だったの。」

倒れかけたあたしを抱き留めてくれたこと、優しく気遣ってくれたこと、
とにかく、全部が素敵だったと、オン二に報告した。

「また、お客として来てくれるといいわね。」

「うん!オンニ、ありがとう!」



それから、そのヒトと会うことはなかった。
あたしのシフトでないときに来てるんじゃないかと、先輩に聞いてみたんだけれど、分からないと言われた。


名前くらい訊いておけば良かった。
彼女、いるのかな?
・・・いる、よね。女の子に放っとかれない感じだもの。



いつものように、オンニのお店に向かった。
ウィンドウから見える店内に、何人かのお客さんがいる。
一人の男性客を残して、みんなジュースカップを片手にお店を出るところだった。

あたしもお店に入ろうと、入り口のガラス戸を押そうとした。

その時

男性客が、オンニの唇に掠めるようにキスをしたのが見えた。

オンニは、あんぽんたん!と言いながら拳を握って持ち上げてる。
キスしたその男性は、大袈裟に仰け反って避ける振りをする。

二人とも幸せそうに笑ってた。


その男性客は・・・


素敵な、あのヒトだった。


あーあ。
再会したと思ったら、こんな場面だなんて。
結構、本気で好きだったのに。
・・・オンニ相手じゃ、敵わないよ。


ガラス戸を押そうとしていた手を下ろし、回れ右をする。

涙が頬を伝った。



あたしだって、オンニに負けないくらい素敵になって!
あのヒトに負けないくらい素敵なヒトを捕まえてやるんだから!!



破れた恋は、ほんのちょっぴりほろ苦かったけれど


あんな風に幸せそうに、笑い合えたら・・・素敵よね


と、そう思った。




<おわり>


私の作品に暖かいコメントをくださり、二次小説作家を応援してくださる皆様に感謝申し上げます。

また、with you..さま、いつも更新作業をありがとうございます。


こちらのお話は自ブログで公開済みのものです。
ティアドロップさんもハマって、二次小説作家となるきっかけとなった
そのドラマの二次小説です。
ティアドロップさんは大切な二次小説作家仲間です。

静香ちゃんを全力で応援致します!


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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>10~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>10~」

作・Crescent(瑞月)




紫からのメールにはこう書かれていた。

『ティアドロップさんが書かれていたブログは、私が立ち上げたブログです。もう少し落ち付いたら、ティアドロップさんにお話しようと思っていました』

(まぁ!「竪琴の調べ」は紫さんのブログだったのね)

静香はすぐに返信を付けた。

『紫さんのブログだったのですね。同じドラマの創作ブログが増えて嬉しいです。これからもよろしくお願いします』

返信に書いた言葉に嘘はない。

同じドラマを応援するファンサイトが増えるのは、純粋に嬉しいと思える。

だけど────

静香の心にはどうにも拭い難い違和感がある。

聞けば、紫はそのドラマのファンが集まるサークル───静香が唯一、中傷コメントのことを相談した「スカイ」が部長を務めるサークルである───にも、すでに「竪琴」の名で次回の大会への作品を投稿していると言う。

自身のブログでも創作記事を数件上げ、サークルにも投稿し、では、紫の言う「もう少し落ち着いたら」は一体、どのタイミングだったのだろう、と言う気がされた。

それに───

パソコンの前で、静香は小さく息を吐いた。

(もし、逆の立場だったら、私ならブログを立ち上げたら、まず最初に紫さんに話すのに・・・。ううん。立ち上げたら、ではないわ)

立ち上げようと思い立ったその時から、紫に話しているような気がする。

『紫さん、私もブログを始めようかと思うんです』

『まぁ!そうなんですか?それは、ぜひぜひ、始めてください。そしたら相互リンクして、管理人同士として一緒に楽しく盛り上げて行きましょうよ!』

『ありがとうございます!またご連絡させていただきますね』

・・・そんなイメージが静香の中にはある。

何しろ、紫とは何度も個人的なメールのやり取りをしているのである。

(私が思ってるほど、紫さんは私のことを親しくは思ってくれてなかったのかも知れない・・・)

何とも言えない淋しさを感じ、静香はまたしてもため息を吐いた。

だけど───

静香は頭を横に振った。

それはあくまでも、静香の思うイメージである。

当然、人にはそれぞれの思いや考えがある。

紫がブログの立ち上げを話してくれなかったことには、違和感と同等に淋しさや味気なさも感じるが、でも、それは仕方のないこと。

あまり深くは考えずに、楽しくやって行こう。

そう思い直す静香だったが、でも、静香の感じた違和感は、その後、どんどんと大きくなっていくのである。





~続く~

瑞月です。
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二次小説【ドラえもん】~「世界で一番君が好き」~

「世界で一番君が好き」

作・ ありちゃん




ものすごく緊張した結婚式が終わった。
僕は、晴れて、静香ちゃんと結婚したんだ!
ばんざい!

「のび太さん、パスポートは大丈夫?」
「もちろんだよ!ここに持って・・・・」
ない!パスポートが・・・ない!!
どうすんだよ!新婚旅行だぞ!
大慌てでバッグの中を探る。
「のび太さん、落ち着いて。
引っ掻き回したら余計に分からなくなるわ。」
静香ちゃんは僕の手からバッグを取ると、待合のベンチの上に中身を一つずつ並べ始めた。
「ほら!あったわよ!」
「ごめん。」
「私が持っておくわね。」
「・・・うん。」
・・・情けない。
「のび太さん。楽しみよね?」
彼女は励ますように笑いかけてくれる。
「うん。・・・僕、海外は初めてで・・・。」
「綺麗よ。ハワイは。」

新婚旅行はド定番のハワイ。
飛行機から見た景色は、彼女の言った通り、空も海も何もかもが綺麗だった。

ホテルに到着する。
チェックインしなければ・・・
フロントで、しどろもどろの僕の後ろから、ホテルマンに向かって彼女が英語で話しかけた。
「静香ちゃん、英語、できるんだ。」
「え?・・・一応、英文科卒業だしね。」
「あ・・・そうだった、ね。」
・・・情けない。

部屋に入って、荷物を置く。
窓の外には綺麗な海が広がっていた。
「わあ!素敵!」
静香ちゃんは嬉しそうに窓辺に駆け寄った。
僕もその隣に並んで立った。
しばらく海を眺めていたけれど、ずっとそうしてるわけにもいかない。
「着替えようか?」
「ええ。」
後ろを振り向いたら・・・大きなベッド。
僕は思わず、ごくりと生唾を飲み下した。
そこで固まっていた僕の横を、彼女がすり抜けるように通って行く。
「・・・のび太さん、私、向こうで着替えるから。」
「え?ああ、うん。」
彼女は、自分のスーツケースを持って、バスルームに逃げ込むように入って行った。

ホテルのレストランで食事を楽しんで、部屋に戻った。
「・・・静香ちゃん、シャワー、先に使っていいよ。」
「え?・・・のび太さんが先に・・・」
彼女が目を逸らし、僕も目を逸らす。
しばらく、そのまま、二人で立ち尽くしていた。

このままじゃ埒が明かない。
僕達は、結婚したんだ。
だから新婚旅行に来ている。
もう、夫婦なんだ、よ。

「シャワー、先に浴びて来るよ。」
「う、うん。」

頭からお湯を被る。
正直、僕は初めてで・・・
ずっと静香ちゃんと結婚したかった。
子供のころから、ずっと。
でも、ずっと子供のままじゃない。
結婚すると言うことが、ただ一緒にいることだけじゃないって、知ってしまった。
静香ちゃんと一緒にいたくて、結婚した。
当然、家族も持ちたい。

大丈夫だろうか?・・・僕は。

思わず、溜息が漏れた。

ベッドに腰かけて、所在なく彼女を待つ。
漏れ聞こえるシャワーの音に、否が応でも胸が高鳴る。同時に緊張もしていた。
結婚式も緊張したけど・・・それ以上かも知れない。

バスルームの扉が開いた。
「・・・静香ちゃん。」
思わず息を飲む。
彼女は、すごく、綺麗だ。
緩く束ねた髪の毛の先が濡れ、頬も少し上気していて・・・。
「こっちに、おいでよ。」
彼女は無言で僕に歩み寄り、ちらりとベッドを見た後、僕の隣に腰かけた。
少し、間を空けて・・・。
僕は彼女の方に身体を向けた。
静香ちゃんは俯く。
彼女の手に、僕自身の手を重ねる。
静香ちゃんの肩が、ぴくりと震えた。
「・・・あの・・・良かったのかな?」
「え?」
彼女が顔を上げ、僕を見る。
「いや、僕と結婚して・・・。」
「・・・のび太さんは、嫌なの?」
「そんな訳がない!僕はずっと、静香ちゃんと結婚したかったんだよ!すごく、嬉しいよ!」
僕はあわててそう言った。
「・・・僕は、慌て者だし、頼りないし、不甲斐ないし・・・情けないし・・・」
彼女が僕の手を握り返してくる。
「私の旦那さんを、そんな風に悪く言わないで。」
旦那、さん?
僕は静香ちゃんを見つめた。
彼女も、にっこりと微笑んで、見つめ返してくれる。
「真面目で、正直で、優しくて・・・人の痛みの分かる人よ。」
「静香ちゃん!」
感動に涙が滲んでくる。
「涙もろいのも・・・嫌いじゃないわ。」
「静香ちゃん!好きだ!」
そう言うなり、がばりと抱きつこうとして・・・
やはり躊躇する。
「・・・その・・・初めてなんだ。・・・情けないよね。」
「どうして?手馴れてる人より、よっぽどいいわ。
それに・・・」
「それに?」
「・・・私も初めてよ。」
え?・・・大学時代に付き合ってる人、いたって・・・。
「私が、初めてなのが不思議?」
「静香ちゃん、モテてたから・・・」
「何度かデートした人はいたけど、進展はしなかったわ。」
「・・・そうか。・・・知らなかった。」
彼女と手を繋いだまま、しばらくそのままでいた。

・・・このまま、朝を迎える気か?
しっかりしろ!野比のび太!

おもむろに静香ちゃんの肩を抱き寄せた。
あっ、と彼女が小さく言いバランスを崩す。
そのまま覆い被さるように倒れ込んだ。
キスしようとして顔を近づけたら、唇に人差し指を押し当てられた。
「のび太さん。・・・メガネ。」
え?
「・・・こういう時は、外した方がいいって・・・友達が・・・言ってた。」
彼女は恥ずかしそうにそう言った。
片手でメガネを外し、サイドテーブルに置く。

情けないよね。・・・ホント、情けない男だよ。

だけど
世界中の誰よりも、静香ちゃんが好きだ!

「愛してる。」
そっと彼女の唇を塞いだ。




<おわり>

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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>9~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>9~」

作・Crescent(瑞月)




「紫」が中傷コメントを書き込んでくる理由として、思い当たること───

それは、「紫」のブログ開設の経緯にあった。

遡ること一か月前。

ある日のこと、静香のブログの管理画面の「訪問者リスト」に見知らぬブログがあった。

「訪問者リスト」とは、同じブログサービス利用者限定の機能で、そのブログの管理人が「訪問者リストに足跡を残す」を選択しておくと、訪問先のブログに自ブログの名前が残ると言うものでる。

主には自ブログの宣伝やコミュニケーションに一役買うための機能だ。

静香自身は「足跡を残さない」と言う設定にしていたのだが、足跡から、どんな人が自分のブログを見てくれているのかが判るので、かかさずチェックはしていた。

だから見知らぬブログが足跡に残ることは特筆すべきことではなかったのだが、そのブログに注目したのにはふたつの理由があった。

一つ目は、静香のブログと同じドラマの二次創作を扱うブログだったこと。

もう一つは、「別館」に付いた足跡だったからだ。

実は静香は、本ブログの他に、もうひとつ「別館」と呼んでいるブログを開設していて、それは、多少のR作品を扱うブログのためパスワード制にしていた。

その「別館」に足跡が残っていたと言う事は、静香がパスワードを配布した人と言う事である。

パスワードの配布は当然のこと、メールでのやり取りとなる。

しかも、配布をした人は30人程度。

この中に、同じドラマのブログを立ち上げた人がいる───

誰かしら?

静香がそう思うのは自然の成り行きで、静香は当然のこと、そのブログ───「竪琴の調べ」を訪問した。

管理人名は「竪琴」とあり、初めて目にするHNである。

アップされた記事の日付からすると、ブログはここ一月ほど前に開設したもので、それでも、ブログトップには「ご挨拶」の記事があり、その下にいくつかの創作記事が並んでおり、すでにブログとして稼働していることがわかった。

「ご挨拶」をざっと一読した静香は、奇妙な感覚を覚えた。

(何だか・・・この文章、私のブログの「挨拶文」に似ているような気がする・・・)

それでも「挨拶文」と言うのは、概して似たようなものになりがちだし、考え過ぎだろう、と静香はその思いを振り払った。

次に静香が思ったことは

(コメントでも書いてみようかしら?)

だった。

それでも、静香の心の中には、挨拶文が似ていたと感じた奇妙な感覚や、相手から声を掛けて来なかったことが気に掛かり、コメントを書き込むことに躊躇する気持ちがある。

足跡はその後も数回あり、あれこれ考えるうち、静香はあることを思い付いた。

(そうだわ。ブログ上で呼びかけてみたらいいんじゃないかしら?)

ダイレクトにコメントを残すよりも、ワンクッション入り、良さそうな気がする。

静香はすぐに「別館」で記事をアップして、その中で

「最近、このブログに同じドラマの二次創作を扱う方のブログの足跡があります。どなたか最近、ブログを立ち上げられたのでしょうか?もし良かったらご連絡をいただけませんか?同じドラマのブログが増えてとても嬉しいです。」

程なくして一通のメールが入ってきた。

差出人は「紫」だった。





~続く~


瑞月です。
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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>8~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>8~」

作・Crescent(瑞月)



中傷コメントを書き込んでくる人物は、同じドラマのファンとして交流のある「紫」だった───

静香はパソコンの前で一人、頭を抱えた。

中傷コメントについて色々と調べた時、案外、身近な人の書き込みである事例もあることを知った静香は、その可能性、つまりは自分のブログを訪問してくれている人であると言う可能性も考えたことはあった。

でも、その可能性の中に「紫」は入っていなかった。

「紫」であるはずがない、と思い込んでいたのだ。

そう思った一番の理由は、紫と交流があることだったが、もうひとつ理由があり、それは、紫も自分のブログを運営していたからだった。

紫は「竪琴」と言うハンドルネームを用いて、<竪琴の調べ>と言うブログを開設していた。

立場を同じくする人間が、まさか、こんな中傷コメントを送りつけてくるなどとは静香は思ってもみず、頭から除外していたのだ。

(そんな、どうして・・・)

自ブログを運営している紫なら、コメントを付ければ足跡が残ることくらい分かりそうなもので、だとしたら、いくらハンドルネームを変えて別人を装っても、同一人物が書き込んだことくらい分かりそうなものなのに───

そう思うそばから

(でも、私だってIPアドレスと言う言葉をつい最近、知ったばかりなんだもの。紫さんだって知らないのかも・・)

と言う思いも湧いてくる。

紫は、静香よりも後にブログを開設しているし、知らなくてもおかしくない気もする。

それにしても、どうして紫は中傷コメントを書き込んでくるのか───

(もしかしたら、あのことが・・)

思い当たることがひつとだけあった。

静香はパソコンの前で目を閉じ、あの日の紫とのやり取りを思い返していた。




~続く~


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二次小説【アンとドラ】~「声の記憶」~

「声の記憶」

作・めろんぱんだ



縁あって「虹の国」を探す旅に出たアンとドラだったが最近、ドラにどうも元気がない。

気になっていたアンは、思い切って尋ねてみた。


「あの、ドラ君、何か悩みでもあるんですか?」


するとドラは、無言で首を左右に振った後、意を決したのかようやく口を開いた。


「悩みというか……哀しいんだ。 実のお母さんとも思っていた人が、僕を忘れてしまったんで」

「えっ……だって君は“未来の世界の猫型ロボット”ですよね? そんな君のお母さんって……」

「実は僕は一度声変わりをしてるんだ。前に僕の言葉を伝えてくれていた人がもう今は……僕だけでなく、周りのいろいろなことを忘れてしまっていて」

「ああ、そういえばニュースになっていましたね。 最近、長年連れ添っていた人も天に召されたとか……」

「うん、最近では親だと思うようになっていたらしいんだけど」

ドラは、流れ落ちてくる涙を隠そうとしてか、空を仰いで言った。


そんなドラに掛けるべき言葉を思案していた様子のアンだったが、言葉が見つかると、打って変わって優しく微笑みを浮かべ、口を開いた。


「でも、ドラ君」

「なんだい、アン君?」

「若い人たちはともかく、昔から君を知っている人たちは皆、声変わりする前の声を聴けば、きっと一声で君だって判るでしょう。大勢の人たちの声の記憶にしっかりと残っていると思いますよ」


アンの言葉で、ドラの顔に少しだけ生気が戻ってきた。


「そうかな」

「そうだと思っています。それに」

「それに、何?」

「君の“お母さん”は、まっさらな心に戻って、今きっと、天に召された“(義理の?)お父さん”と楽しくお話ししているんじゃないでしょうか」

「そうかも……ね。そう思うようにするよ」

 
アンがドラの肩をポンと叩くと、ドラは力弱く微笑み返した。

そうして二人はまた、足並みをそろえて「虹の国」への旅を続けるのだった。





――了――


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