二次小説【ドラえもん】~「世界で一番君が好き」~

「世界で一番君が好き」

作・ ありちゃん




ものすごく緊張した結婚式が終わった。
僕は、晴れて、静香ちゃんと結婚したんだ!
ばんざい!

「のび太さん、パスポートは大丈夫?」
「もちろんだよ!ここに持って・・・・」
ない!パスポートが・・・ない!!
どうすんだよ!新婚旅行だぞ!
大慌てでバッグの中を探る。
「のび太さん、落ち着いて。
引っ掻き回したら余計に分からなくなるわ。」
静香ちゃんは僕の手からバッグを取ると、待合のベンチの上に中身を一つずつ並べ始めた。
「ほら!あったわよ!」
「ごめん。」
「私が持っておくわね。」
「・・・うん。」
・・・情けない。
「のび太さん。楽しみよね?」
彼女は励ますように笑いかけてくれる。
「うん。・・・僕、海外は初めてで・・・。」
「綺麗よ。ハワイは。」

新婚旅行はド定番のハワイ。
飛行機から見た景色は、彼女の言った通り、空も海も何もかもが綺麗だった。

ホテルに到着する。
チェックインしなければ・・・
フロントで、しどろもどろの僕の後ろから、ホテルマンに向かって彼女が英語で話しかけた。
「静香ちゃん、英語、できるんだ。」
「え?・・・一応、英文科卒業だしね。」
「あ・・・そうだった、ね。」
・・・情けない。

部屋に入って、荷物を置く。
窓の外には綺麗な海が広がっていた。
「わあ!素敵!」
静香ちゃんは嬉しそうに窓辺に駆け寄った。
僕もその隣に並んで立った。
しばらく海を眺めていたけれど、ずっとそうしてるわけにもいかない。
「着替えようか?」
「ええ。」
後ろを振り向いたら・・・大きなベッド。
僕は思わず、ごくりと生唾を飲み下した。
そこで固まっていた僕の横を、彼女がすり抜けるように通って行く。
「・・・のび太さん、私、向こうで着替えるから。」
「え?ああ、うん。」
彼女は、自分のスーツケースを持って、バスルームに逃げ込むように入って行った。

ホテルのレストランで食事を楽しんで、部屋に戻った。
「・・・静香ちゃん、シャワー、先に使っていいよ。」
「え?・・・のび太さんが先に・・・」
彼女が目を逸らし、僕も目を逸らす。
しばらく、そのまま、二人で立ち尽くしていた。

このままじゃ埒が明かない。
僕達は、結婚したんだ。
だから新婚旅行に来ている。
もう、夫婦なんだ、よ。

「シャワー、先に浴びて来るよ。」
「う、うん。」

頭からお湯を被る。
正直、僕は初めてで・・・
ずっと静香ちゃんと結婚したかった。
子供のころから、ずっと。
でも、ずっと子供のままじゃない。
結婚すると言うことが、ただ一緒にいることだけじゃないって、知ってしまった。
静香ちゃんと一緒にいたくて、結婚した。
当然、家族も持ちたい。

大丈夫だろうか?・・・僕は。

思わず、溜息が漏れた。

ベッドに腰かけて、所在なく彼女を待つ。
漏れ聞こえるシャワーの音に、否が応でも胸が高鳴る。同時に緊張もしていた。
結婚式も緊張したけど・・・それ以上かも知れない。

バスルームの扉が開いた。
「・・・静香ちゃん。」
思わず息を飲む。
彼女は、すごく、綺麗だ。
緩く束ねた髪の毛の先が濡れ、頬も少し上気していて・・・。
「こっちに、おいでよ。」
彼女は無言で僕に歩み寄り、ちらりとベッドを見た後、僕の隣に腰かけた。
少し、間を空けて・・・。
僕は彼女の方に身体を向けた。
静香ちゃんは俯く。
彼女の手に、僕自身の手を重ねる。
静香ちゃんの肩が、ぴくりと震えた。
「・・・あの・・・良かったのかな?」
「え?」
彼女が顔を上げ、僕を見る。
「いや、僕と結婚して・・・。」
「・・・のび太さんは、嫌なの?」
「そんな訳がない!僕はずっと、静香ちゃんと結婚したかったんだよ!すごく、嬉しいよ!」
僕はあわててそう言った。
「・・・僕は、慌て者だし、頼りないし、不甲斐ないし・・・情けないし・・・」
彼女が僕の手を握り返してくる。
「私の旦那さんを、そんな風に悪く言わないで。」
旦那、さん?
僕は静香ちゃんを見つめた。
彼女も、にっこりと微笑んで、見つめ返してくれる。
「真面目で、正直で、優しくて・・・人の痛みの分かる人よ。」
「静香ちゃん!」
感動に涙が滲んでくる。
「涙もろいのも・・・嫌いじゃないわ。」
「静香ちゃん!好きだ!」
そう言うなり、がばりと抱きつこうとして・・・
やはり躊躇する。
「・・・その・・・初めてなんだ。・・・情けないよね。」
「どうして?手馴れてる人より、よっぽどいいわ。
それに・・・」
「それに?」
「・・・私も初めてよ。」
え?・・・大学時代に付き合ってる人、いたって・・・。
「私が、初めてなのが不思議?」
「静香ちゃん、モテてたから・・・」
「何度かデートした人はいたけど、進展はしなかったわ。」
「・・・そうか。・・・知らなかった。」
彼女と手を繋いだまま、しばらくそのままでいた。

・・・このまま、朝を迎える気か?
しっかりしろ!野比のび太!

おもむろに静香ちゃんの肩を抱き寄せた。
あっ、と彼女が小さく言いバランスを崩す。
そのまま覆い被さるように倒れ込んだ。
キスしようとして顔を近づけたら、唇に人差し指を押し当てられた。
「のび太さん。・・・メガネ。」
え?
「・・・こういう時は、外した方がいいって・・・友達が・・・言ってた。」
彼女は恥ずかしそうにそう言った。
片手でメガネを外し、サイドテーブルに置く。

情けないよね。・・・ホント、情けない男だよ。

だけど
世界中の誰よりも、静香ちゃんが好きだ!

「愛してる。」
そっと彼女の唇を塞いだ。




<おわり>

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二次小説【ドラえもん】~「そんなあなたが好き」~

「~そんなあなたが好き~」

作・ イニシャルA



のび太さんは少し慌て者だ。

「しずかちゃん、僕のメガネ知らない?」

「・・・頭の上のは、なあに?」

彼は自分の頭に手をやって、あっ、なんて言っている。
そして、えへへ、なんて笑うのだ。


のび太さんは怖がりだ。

「DVD、借りて来たよ。」

「・・・それ、観るの?」

『ゾンビ』なんてチョイスして来て・・・

「うわぁ!しずかちゃん、見ない方がいい!」

自分の目だけでなく、私の目まで隠すのだ。


のび太さんは頼りない。

「しずかちゃん、トイレに付いて来てくれない?」

『ゾンビ』なんて観るから・・・。

私はトイレのドアの前で欠伸を噛み殺した。


でも、彼は優しい。

「しずかちゃん、これ見て!」

小さな球体が二つ重なったような、雪だるまみたいなフォルムのサボテン。

「ドラえもんだ!」

大喜びで買い込んだ。

ネットで『サボテンの育て方』なんて調べて、心を込めて世話をしている。


慌て者で、怖がりで、頼りないけど・・・
彼は優しい。

「のび太さん、あなたが好きよ。」

照れたように頭を掻いて

「僕も。」

彼は嬉しそうに微笑んだ。


fin


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二次小説【ドラえもん】~「バージンロード」~

「バージンロード」

作・ Crescent



結婚行進曲の中、静香は父親とバージンロードを歩く。

一歩、一歩、と足元を確かめるような足取りで───

少し先には夫となるのび太が待っている。

緊張のためなのか普段よりも硬い表情をしているのが分かり、静香はくすっと笑った。

───やっぱりのび太さんだわ。

のび太の所に着き、静香はそっと父親の腕から手を外した。

その手をのび太に伸ばしかけた次の瞬間。

のび太は突然、両手で、静香の父親の手を取っていた。

あっけに取られる父親の手をぎゅうぎゅうと握りしめては、涙を流している。

───のび太さんったら・・

どうしてあなたが私より先に泣くの。

どうしてあなたはそんなに素直なの・・・

静香の胸に温かな気持ちが広がって行く。

のび太さん、私たち、きっと幸せになれるわ。

静香は笑う振りをしながら、そっと涙を拭ったのだった。




~fin~


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二次小説【ドラえもん】~「あいたいよ」~

「あいたいよ」

作・Crescent



ドラえもんと会えなくなってもう10年になる。

ある日、ドラえもんはぼくの前から姿を消した。

『のび太君は、もうぼくがいなくても大丈夫だよ』

そんな言葉を残して、引き出しの中に消えていった。

あれから10年──

ぼくは社会人になったし、静香ちゃんと恋人同士にもなった。

毎日、真面目に働いている。

ヘマすることも多いけど、良い人に囲まれて、何とか頑張れている。

ぼくはこう思う事にしている。

きっとぼくは自分で思ってるよりも、毎日を立派に過ごしているんだろうって。

でなきゃドラえもんがまたやってくるはずだ。

『のび太君は本当にぼくがいないとダメなんだなぁ』って言いながら。

だから、ドラえもんが来ないのは、きっといいことなんだ。

ぼくはちゃんと出来てるってことなんだ。

だけど。

だけど、やっぱりぼくは、ドラえもん───

君に逢いたいよ。



~fin~


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二次小説【ドラえもん】~「結婚前夜」~

「結婚前夜」

作・ with you..



明日が結婚式と言う日の夜、静香は家族との夕食を終えると部屋に戻ってきた。

パパ、今までありがとう……

夕飯の後に言おうと思っていたのにどうしても言い出せなかった。

きっとパパは泣いてしまう。
そしたら私も泣いてしまう。

静香は滲む涙を指先で拭うとスマホを手に取った。


---やあ、静香ちゃん。

「のび太さん」

--どうしたの?

静香の声の些細な変化にのび太は気付き、声のトーンを落とした。

「のび太さん。私、おかしいの。幸せなのに涙が出るの」

--静香ちゃん。

「明日の結婚式が楽しみなのに、パパの顔が見れないの」

--静香ちゃん。ぼくは静香ちゃんをお父さんからもらおうなんて思ってないよ。だって静香ちゃんは静香ちゃんだからね。

(私は私、私は私、私は私…)

静香は心の中で何度も唱えてみた。

「のび太さん、ありがとう」

静香は自分の胸に手を当てた。
胸に温かな安堵感が広がって行く。

私は明日には「野比静香」になるけど、パパの娘であることに変わりはないから……



--翌朝--


先に式場入りするために静香が支度をして家を出ようと玄関で靴を履いていると、奥から父親が見送りに出てきた。

「後で行くからな」

静香は靴を履き終えてバッグを持ち直すと

「行ってきます。パパ、これからもよろしくね」

晴れやかな笑顔で言った。

「もちろんさ、静香。さぁ、行ってきなさい」

「はい!」

静香は玄関を開け外に出ると、のび太が待つ式場へと軽やかな足取りで向かったのだった。




--完--



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