二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>13~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>13~」

作・Crescent(瑞月)




『ティアドロップさん、もしかしたら余計なことをお伝えすることになるかも知れませんが、ティアドロップさんは「竪琴の調べ」と言うブログをご存知ですか?私もつい最近知ったのですが、こちらのブログ、ティアドロップさんのブログに良く似ているのです・・・』

数人の読者から、静香のブログにそんな声が届くようになってきていた。

静香を気遣うようなメールを読みながら、そっと小さなため息を漏らした。

「竪琴の調べ」を知っているも何も、その管理人である「竪琴」とはメールをやり取りするほどの仲である。

だけど、静香の口から「竪琴=紫」であると公表することは出来ない。

恐らくだけど、「竪琴=紫」であると周知されれば

(そうか、竪琴さんはティアドロップさんのブログの読者の人だったんだ。なるほど、道理で)

と皆は納得してくれるのではないか、と言う気がする。

同じジャンル、同じCPを扱うブログの内容がどこか類似性を持ってしまうのは、これは仕方のないことだと静香も思っている。

だから静香の中にある一番の引っ掛かりは、「似ていること」ではなく、紫が「竪琴=紫」であると公表していないことだった。

何件かの読者からのメールを読み、静香は紫にメールをすることを決めた。

(やっぱり直接、紫さんに言ってみよう)

似ているブログがある、と言うメールを何件かもらったこと。

自分の口から、「竪琴=紫」と言えなくて困っていること。

それを正直に伝えれば、きっと紫さんは善処してくれるに違いない。

紫にだって悪気があるわけではないだろう。

きっと

『まぁ、すみません。すぐに自分のブログで、私がティアドロップさんの読者であったことを皆さんにお伝えしますね』

そんな風に言ってきてくれるに違いない。

静香は慎重に言葉を選んでメールを書き始めた。

少し言葉を間違えたら、もしかしたら紫は自責の念を感じてブログを閉鎖したりしてしまうかも知れない・・・

そんな心配が静香にはある。

今までの付き合いから、紫はそれくらい丁寧で、腰の低い物の言い方をする人物であると言う認識が静香の中にはある。

せっかく立ち上げたブログを、私の言葉が原因で閉鎖させるようなことにするわけには行かない。

何度も考えた文面を、静香は祈るような気持ちで送付した。

───どうか、私の気持ちが曲解されずにまっすぐに紫さんに届きますように。

───このメールがもとで、紫さんがブログを辞めたりしませんように。

すぐには返信は来ず、その時間が長ければ長いほど

(紫さんを傷つけてしまったのかも知れない)

静香の心は沈み、後悔の気持ちが大きくなっていった。

(まだ来ない・・)

パソコンの前で重苦しい気持ちでいた静香は

(えっ)

思わず身を乗り出した。

(紫さんがブログを更新している・・・)

静香も紫も登録している、ブログのランキングのサイトに、紫の新着記事が載っていたのだ。

それは普通の創作小説記事である。

自分のメールを読み、返信も出来ない程に落ち込んでいるとばかり思っていたのに・・・。

ほどなくして紫からメールが届いた。

『・・・もうティアドロップさんのブログには訪問しません。私はティアドロップさんのブログが大好きでした。私はティアドロップさんになりたい。恩を仇で返すようで申し訳ありません。最後なので、この名前で書かせていただきます。──紫』

メールには決別の言葉だけが書かれていた。




~続く~


瑞月です。
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最後までお付き合いの程、よろしくお願いします。


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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>12~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>12~」

作・Crescent(瑞月)




「紫」が「竪琴」であると知っているのは静香だけ───

それは静香の中で、思いも寄らない程の重圧となっていた。

例えば、静香のブログに頻繁にコメントを残してくれる、いわゆる「常連さん」と呼べる読者が複数人いたとすると、読者同士も「良く見る名前」としてお互いを認識し合うようになる。

ある日、静香のブログの「常連」である「カナリヤさん」が、紫のブログにコメントを残した。

紫が「スカイ」が部長を務めるサークルに作品を投稿したことにより、紫のブログの知名度が上がったのである。

『竪琴さま、初めまして。カナリヤと申します。作品を楽しく読ませていただきました。竪琴さまの書かれている通り、このヒーローの魅力は・・・』

『カナリヤさま、初めまして。当ブログのご訪問いただきありがとうございます。竪琴と申します・・・』

───初めまして、じゃないのに。

───竪琴さんは、カナリヤさんもよく知る紫さんなのよ。

顔の見えないネット上で、異なるハンドルネームを持つということは、別人として振る舞えると言うことなのだ。

自ブログとSNSとでハンドルネームを使い分けるなど、全くのジャンル違いなら、異なるハンドルネームを持つことも「アリ」だと思うし、むしろそうしている人の方が多いと思える。

しかし、同ジャンルの同CPを扱うブログを運営しながら、書き手と読み手として2つのハンドルネームを持つと言うのは・・・

「スカイ」率いるサークルへの投稿も、当然、「竪琴」で行っており、この時点で「紫=竪琴」と知っているのは、文字通り静香だけである。

気にし過ぎと言われればそれまでだけど、どこかで見た言い回し、似たような考察記事。

「・・・」

紫が記事をアップするたび、静香の中にやりきれない思いが蓄積されていく。

ある日のこと、紫が注意書きと共にひとつの話をアップした。

「私にとって、初めてのR記事です。それ程の濃い内容ではありませんが、閲覧ご注意下さい」

その話を読んだ静香は、文字通り、パソコンの前で固まってしまった。

静香が、別館の中で主人公に言わせた台詞が、そのまま使われていたのだ。

それは、恋人たちが行為のクライマックスの中、ヒーローがヒロインに向かい

「ぼくの名前を呼んで・・!」

と言うものだった。

その記事を静香がアップした時、それに関して紫から

「このヒーローの言葉にグっときました」

とメールをもらっているのである。

静香が、パスワード付きの別館と言うごく限られた場所でアップした内容を、公開している───

紫のその記事にもコメントが入った。

『ヒーローの、この言葉に悶えました!』

『私も言われてみたいです!』

静香の別館を読んだことがない人から見たら、それは初めてみるヒーローの言葉と映るのだろう。

───ひどいわ、紫さん・・・

パソコンの前に座る静香の頬に、一筋の涙が伝った。





~続く~


ご無沙汰しております、瑞月です。
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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>11~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>11~」

作・Crescent(瑞月)




紫が「竪琴」と言う管理人名で『竪琴の調べ』を立ち上げた後も、静香と紫の付き合いは続いていた。

紫からは静香のブログに「紫」の名でコメントが入り、メールでのやり取りもする。

ある時、メールの中でドラマのヒーローの「髪」について話したことがあり、静香は

【私のイメージでは、彼の髪は、硬すぎず柔らかすぎず、素直な髪質なんじゃないかと思うんです】

こう書いた。

すると、後日、アップされた「竪琴の調べ」の考察記事に

『・・・彼の髪は、硬すぎず柔らかすぎず、素直な髪質なのではないかと言うのが、管理人の考えです』

とあった。

(これって、私がメールで書いたことだわ・・)

記事を読んだ静香は驚き、心の中に苦みが走った。

そして、もう一つ静香は気になったのは、紫が自身のことをブログ上で「管理人」と呼んでいることである。

実は、静香もブログ上で自分のことを「管理人」と呼んでいた。

それはブログ開設時に、考えて決めたことだった。

静香には、とにかくドラマ一色のブログにしたいと言う思いがあった。

そのために決めたことは、なるべく自分(個)を出さずにいようと言う事で、それには自分のことを「私」と呼ぶよりも「管理人」と呼ぶ方が相応しいように思ったのだ。

だから、静香はブログで考察記事を書く時は

『私はそう思います』

ではなく

『管理人はそう思います』

と書いていた。

紫がそう書いていることも、もちろん偶然だとは思う。

自分のことを「管理人」と呼んでいるブログはたくさんある。

人に言えば、「気にし過ぎ」と笑い飛ばされるくらいのことだろう。

そう思う側から、やりきれないざらりとした思いが静香の心に広がって行く。

静香はたくさんの他の人のブログを見るうち、ブログにはそれぞれにカラーと呼べるものがあることに気が付いていた。

かっちりと固めな文章の、テレビに例えて言うならNHKのようなブログ。

ざっくばらんでフレンドリーなブログ。

静かで落ち着いた雰囲気のブログ。

カラー、スタイル、テイスト。

そんな言葉で表せられるような、それぞれのブログの特徴と言えるもの。

それらを決定づけるものは、やはり文章であり、管理人が自分のことを「私」と一人称で呼ぶのか、または呼ばないで他の呼び方をしていたり、そもそもその表現を巧みに避けていたり───

それがブログの印象を左右している、と静香は思っていた。

静香が紫のブログを最初に見た時に

(なんか私のブログに似てる・・)

と思ったのは、「カラー」が似ている、と思ったのだろう、と静香は今さらながら気付いた。

そしてそれは紫が記事の中で自分のことを「管理人」と呼んでいることにも大きく関係しているのだろうと思った。

髪の話のことも、紫からの返信の中で

【そうですよね、私もそう思います】

と書いてあった。

だから、ヒーローの髪質については、元から共通認識があったのだろうとは思う。

だけど───

(もしも私だったら、この記事を上げる時『少し前、紫さんとメールでもお話したのですが』と一言、書き加えるのに・・・)

それは静香に取っての、ひとつの「筋の通し方」だった。

仮にもネット上で何かを公表するのであれば、そのソース(情報源)を明確にしておきたいと言う思いがある。

だから、もし誰かとの会話の中で思い付いたネタがあれば、本人にも記事にしていいかの了解を取り、記事上でもそのことを書いていた。

静香とのやり取りは「紫」で行い、ブログは「竪琴」の名前でアップする。

紫に自覚があるのかないのかは分からないけれど、どこか静香のブログとカラーの似た紫のブログ。

「紫」が「竪琴」であると知っているのは静香だけ。

(紫さん、何だか・・・ズルいわ・・)

(ううん、こんな風に思う私がおかしいのかも知れない・・)

静香はパソコンの前でため息を吐いた。





~続く~


瑞月です。
応援コメント、ありがとうございます。
ありちゃんさんも、静香ちゃんへの応援のお言葉をありがとうございます。
with you..さん、更新作業、いつもありがとうございます。

こうして書いていると、普段は静まっている苦い思いが甦ってきて、心がざわついてきます。
でも、書くと決めたから書きます。
最後までお付き合いいただき事の顛末まで見守っていただけたら幸いです。


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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>10~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>10~」

作・Crescent(瑞月)




紫からのメールにはこう書かれていた。

『ティアドロップさんが書かれていたブログは、私が立ち上げたブログです。もう少し落ち付いたら、ティアドロップさんにお話しようと思っていました』

(まぁ!「竪琴の調べ」は紫さんのブログだったのね)

静香はすぐに返信を付けた。

『紫さんのブログだったのですね。同じドラマの創作ブログが増えて嬉しいです。これからもよろしくお願いします』

返信に書いた言葉に嘘はない。

同じドラマを応援するファンサイトが増えるのは、純粋に嬉しいと思える。

だけど────

静香の心にはどうにも拭い難い違和感がある。

聞けば、紫はそのドラマのファンが集まるサークル───静香が唯一、中傷コメントのことを相談した「スカイ」が部長を務めるサークルである───にも、すでに「竪琴」の名で次回の大会への作品を投稿していると言う。

自身のブログでも創作記事を数件上げ、サークルにも投稿し、では、紫の言う「もう少し落ち着いたら」は一体、どのタイミングだったのだろう、と言う気がされた。

それに───

パソコンの前で、静香は小さく息を吐いた。

(もし、逆の立場だったら、私ならブログを立ち上げたら、まず最初に紫さんに話すのに・・・。ううん。立ち上げたら、ではないわ)

立ち上げようと思い立ったその時から、紫に話しているような気がする。

『紫さん、私もブログを始めようかと思うんです』

『まぁ!そうなんですか?それは、ぜひぜひ、始めてください。そしたら相互リンクして、管理人同士として一緒に楽しく盛り上げて行きましょうよ!』

『ありがとうございます!またご連絡させていただきますね』

・・・そんなイメージが静香の中にはある。

何しろ、紫とは何度も個人的なメールのやり取りをしているのである。

(私が思ってるほど、紫さんは私のことを親しくは思ってくれてなかったのかも知れない・・・)

何とも言えない淋しさを感じ、静香はまたしてもため息を吐いた。

だけど───

静香は頭を横に振った。

それはあくまでも、静香の思うイメージである。

当然、人にはそれぞれの思いや考えがある。

紫がブログの立ち上げを話してくれなかったことには、違和感と同等に淋しさや味気なさも感じるが、でも、それは仕方のないこと。

あまり深くは考えずに、楽しくやって行こう。

そう思い直す静香だったが、でも、静香の感じた違和感は、その後、どんどんと大きくなっていくのである。





~続く~

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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>9~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>9~」

作・Crescent(瑞月)




「紫」が中傷コメントを書き込んでくる理由として、思い当たること───

それは、「紫」のブログ開設の経緯にあった。

遡ること一か月前。

ある日のこと、静香のブログの管理画面の「訪問者リスト」に見知らぬブログがあった。

「訪問者リスト」とは、同じブログサービス利用者限定の機能で、そのブログの管理人が「訪問者リストに足跡を残す」を選択しておくと、訪問先のブログに自ブログの名前が残ると言うものでる。

主には自ブログの宣伝やコミュニケーションに一役買うための機能だ。

静香自身は「足跡を残さない」と言う設定にしていたのだが、足跡から、どんな人が自分のブログを見てくれているのかが判るので、かかさずチェックはしていた。

だから見知らぬブログが足跡に残ることは特筆すべきことではなかったのだが、そのブログに注目したのにはふたつの理由があった。

一つ目は、静香のブログと同じドラマの二次創作を扱うブログだったこと。

もう一つは、「別館」に付いた足跡だったからだ。

実は静香は、本ブログの他に、もうひとつ「別館」と呼んでいるブログを開設していて、それは、多少のR作品を扱うブログのためパスワード制にしていた。

その「別館」に足跡が残っていたと言う事は、静香がパスワードを配布した人と言う事である。

パスワードの配布は当然のこと、メールでのやり取りとなる。

しかも、配布をした人は30人程度。

この中に、同じドラマのブログを立ち上げた人がいる───

誰かしら?

静香がそう思うのは自然の成り行きで、静香は当然のこと、そのブログ───「竪琴の調べ」を訪問した。

管理人名は「竪琴」とあり、初めて目にするHNである。

アップされた記事の日付からすると、ブログはここ一月ほど前に開設したもので、それでも、ブログトップには「ご挨拶」の記事があり、その下にいくつかの創作記事が並んでおり、すでにブログとして稼働していることがわかった。

「ご挨拶」をざっと一読した静香は、奇妙な感覚を覚えた。

(何だか・・・この文章、私のブログの「挨拶文」に似ているような気がする・・・)

それでも「挨拶文」と言うのは、概して似たようなものになりがちだし、考え過ぎだろう、と静香はその思いを振り払った。

次に静香が思ったことは

(コメントでも書いてみようかしら?)

だった。

それでも、静香の心の中には、挨拶文が似ていたと感じた奇妙な感覚や、相手から声を掛けて来なかったことが気に掛かり、コメントを書き込むことに躊躇する気持ちがある。

足跡はその後も数回あり、あれこれ考えるうち、静香はあることを思い付いた。

(そうだわ。ブログ上で呼びかけてみたらいいんじゃないかしら?)

ダイレクトにコメントを残すよりも、ワンクッション入り、良さそうな気がする。

静香はすぐに「別館」で記事をアップして、その中で

「最近、このブログに同じドラマの二次創作を扱う方のブログの足跡があります。どなたか最近、ブログを立ち上げられたのでしょうか?もし良かったらご連絡をいただけませんか?同じドラマのブログが増えてとても嬉しいです。」

程なくして一通のメールが入ってきた。

差出人は「紫」だった。





~続く~


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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>8~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>8~」

作・Crescent(瑞月)



中傷コメントを書き込んでくる人物は、同じドラマのファンとして交流のある「紫」だった───

静香はパソコンの前で一人、頭を抱えた。

中傷コメントについて色々と調べた時、案外、身近な人の書き込みである事例もあることを知った静香は、その可能性、つまりは自分のブログを訪問してくれている人であると言う可能性も考えたことはあった。

でも、その可能性の中に「紫」は入っていなかった。

「紫」であるはずがない、と思い込んでいたのだ。

そう思った一番の理由は、紫と交流があることだったが、もうひとつ理由があり、それは、紫も自分のブログを運営していたからだった。

紫は「竪琴」と言うハンドルネームを用いて、<竪琴の調べ>と言うブログを開設していた。

立場を同じくする人間が、まさか、こんな中傷コメントを送りつけてくるなどとは静香は思ってもみず、頭から除外していたのだ。

(そんな、どうして・・・)

自ブログを運営している紫なら、コメントを付ければ足跡が残ることくらい分かりそうなもので、だとしたら、いくらハンドルネームを変えて別人を装っても、同一人物が書き込んだことくらい分かりそうなものなのに───

そう思うそばから

(でも、私だってIPアドレスと言う言葉をつい最近、知ったばかりなんだもの。紫さんだって知らないのかも・・)

と言う思いも湧いてくる。

紫は、静香よりも後にブログを開設しているし、知らなくてもおかしくない気もする。

それにしても、どうして紫は中傷コメントを書き込んでくるのか───

(もしかしたら、あのことが・・)

思い当たることがひつとだけあった。

静香はパソコンの前で目を閉じ、あの日の紫とのやり取りを思い返していた。




~続く~


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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>7~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>7~」

作・Crescent



「紫」との出会いは、静香のブログに届いたコメントだった。

『ティアドロップさま、初めまして。紫と申します。私もこのドラマが大好きです。コメントまで書こうと思ったのはティアドロップさまが初めてです。それくらい、ティアドロップさまの作品は私の「ツボ」でした。・・・』

気恥ずかしくなるくらいに静香の書く話を褒めてくれて、その後も熱心にコメントを書き込んでくれ、時にはメールでもやり取りをするくらいに仲良くしている人だった。

(その紫さんが、どうして私に中傷コメントなんかを・・・)

同じものが好きと言うだけで、一気に親しみも湧くし、何よりも紫はとても礼儀正しく、丁寧な物言いをする人だ。

その普段の紫の印象と

『おまえの書く話は気持ちが悪い』

『アホな妄想女』

の言葉がどうしてもつながらない。

更に調べて行くと、全ての中傷コメントは紫一人の書き込みであり、また、中傷コメントが届いた、その同じ日に「紫」の名で、普段通りの親しげなコメントが届いていたことも判明した。

『ティアドロップさま、こんにちは。紫です。今日もまた楽しいお話をありがとうございます。私的には、花束を渡すシーンが「らしいなぁ」と思い、ほっこりしました♪』

このコメントを書き込んだ、その後に

『おまえの書く話は気持ちが悪い』

と書き込んでいるのだ。

(どうして。どうして・・・。どうして・・)

静香はパソコンの前で固まり、気付いたら涙が頬を伝っていた。




~続く~


改めまして、Crescentです。

私はこちらには「Crescent」の名で作品を投稿していますが、「瑞月」と言う名前で二次創作ブログをやっています。

ブログ名は

「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ
「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ*plus

のふたつです。

ブログ村の「二次小説カテゴリ」に参加しています。

私は過去に、ひどい中傷コメントを長きに渡り書き込まれたことがあり、今、こちらに連載中の話は、実体験になぞって書いています。

(小説化するに当たり、判りやすくするために多少の脚色はしていますが、大筋ではそれていません。正確な経緯は自ブログに記事としてアップしています)

「中傷行為、許すまじ」の、with you..さんのお考えに賛同し、自分の体験が少しでもお役に立てばと思い、自分の身に起きた出来事を二次小説にすることにしました。

読んでて楽しい二次小説でないことは、書いている自分が一番良く分かっています。

私は大きな決意のもと、この小説を投稿しました。

自ブログでの創作活動は創作活動として、私もこれからは「中傷行為、許すまじ」の意思表示を発信していこうと思います。

中傷行為は許されるものではありません。

中傷コメントを書き込まれた人がいると言う事は、当然、書き込んだ人がいると言う事です。

顔が見えないネットの匿名性を利用し、人を傷つける言葉を書き込むと言う卑劣な行為をする人を、私は許しません。

きちんと声を上げて行こうと思います。

最後まで話を書いたら、「後書き」として、この場をお借りして、中傷コメントについて思う事をさらに踏み込んで書こうと思っています。

最後までお付き合いしていただけることを願ってやみません。

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次回の投稿もよろしくお願いいたします。


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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>6~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>6~」

作・Crescent



スカイのメールの言葉は続いた。

『一般的に言われていることですが、いわゆる「荒らし行為」対策としては、スルーが一番と言われています。コメントに反応したりすると相手を喜ばせるだけと言うことがあります。ティアドロップさんは、なるべく通常のブログ活動をなさることをお勧めします・・・」

アクセス解析を見ること、コメントには反応せず、通常のブログ活動を行うこと。

静香は画面に向かい頷く。

『・・・辛い時は、一人で抱え込まずに遠慮せずいつでもメールを下さいね』

結びの言葉として書かれていた、優しいスカイの言葉に涙がこぼれた。

中傷コメントのことを誰にも言えず、一人悶々と悩んでいた静香の心は、自分ではそうとは気付かないうちに疲弊していたのだ。

静香の心に寄り添ってくれたスカイの言葉に救われた思いがした。

独りじゃない。

それは大きな安心感だった。

静香は、自分が今までいかに不安で一杯だったかが分かった。

突然に投げつけられた悪意の言葉の数々。

それは、暗闇の中に独りぼっちで放り出されたような感覚に似ていた。

どこからか、誰かが自分のことを悪意ある目で見ている。

でも、それが誰かは分からない・・・。

怒りよりも、薄気味悪さ、心細さが強かった。

──とにかく、スカイさんのアドバイス通りにしてみよう。

しばらく休んでいた更新を再開し、中傷コメントは削除もせず、それ以外のコメントにだけ返信を付けた。

作品を書く傍ら、時間を見つけては、ネットで中傷コメントや荒らし行為について調べもした。

少し調べただけで、実に多くの情報が上がっていて、その数だけでも、ネットに蔓延る「荒らし行為」の闇の深さが窺える。

静香はパソコンの前でため息を吐いた。

(私は今まで、たまたま、こう言うコメントを書き込まれなかっただけなんだわ・・)

アクセス解析の見方も勉強をした。

今までは見たとしても訪問者数くらいだったので、最初は何が何だかわからなかったが、次第に分かるようになって行った。

スカイが言っていた通り、ブログにコメントを残すと、必ず「アクセスログ」と呼ばれる足跡が残ることも分かった。

その中には様々な情報が載っている。

IPアドレス、ホスト名、User-Agent・・・

時間を掛けて調べて行くうち、静香は自分の目を疑う事実に行きあたった。

中傷コメントを書き込んでいたのは、「紫」と名乗る、静香の常連の読者だったのだ。

(そんな、まさか・・・)

静香はパソコンの前で固まった。




~続く~

Crescentです。
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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>5~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>5~」

作・Crescent



「静香ちゃん、最近、元気がないようだけど、大丈夫?」

「え、あ・・、そ、そうかしら?そんなことないわよ」

夕飯の席でのび太に言われ、静香は慌てて笑顔を作った。

「そう?ならいいけど」

美味しそうにおかずのハンバーグを口に運びのび太を見ながら、静香は気付かれないようにため息を吐いた。

あの日───

初めて、あのコメントが入ってきてから2週間が経ち、その間に5通の中傷コメントが入ってきていた。

ブログに「中傷コメント」を書き込む人がいると言うのは聞いていた。

でも、まさか、自分がそんなコメントを書き込まれるなんて・・・

『変なもの読んじゃった。他のサイトの作品読んで癒されに行かないと』

『こういうアホな妄想女に、このドラマの二次とか書かれたくない。あんたの妄想は鳥肌が立つほど気持ち悪い。最悪』

『下品な作文。バカみたい』

悪意に満ちた言葉の数々。

そのどれも、違うハンドルネームで、非公開コメントだった。

(どうして、急にこんなコメントが色んな人から来るようになったのかしら・・)

静香はコメントが入ると、メールに通知が来るように設定していたのだが、メールを開封した途端、ふいうちで暴力的な言葉が目に飛び込んでくると言うのは、それだけで静香を傷つけるのに十分な威力があった。

もちろん、楽しいコメントも入ってくる。

だからこそ、メールを開かないわけにはいかず、静香は楽しいはずの「メールを開封する」と言う作業が、次第に苦痛になっていた。

また、中傷コメントだったらどうしよう・・・。

クリックする指先が震えた。

違う場合は、心底ホッとしたし、中傷コメントだった時は、途端に動悸がして、背中を嫌な汗が流れる。

どうしたらいいのかしら・・・。

夫ののび太には言えなかった。

最初のコメントが届いた時、言えていたら良かったのかも知れないのだが、何だか時期を逸してしまった。

心配もさせたくなかったし

(私に何か落ち度があるから、こんなコメントが入るのかも知れない)

と言う気持ちもあり、せっかく応援してくれる夫の気持ちを思うと、言いだせなくなっていた。

結局、静香はこの二週間は更新はせず、楽しいコメントに返信を付ける、と言う日々を過ごしていた。

パソコンの前に座っても、話を書こうと言う気になれず、何となく画面を見ていたある日。

静香はふと

(そうだわ。スカイさんに相談してみようかしら)

と思い立った。

「スカイさん」と言うのは静香が入会している「創作活動サークル」の部長で、静香よりもよほどネット歴があるし、何度もメールのやりとりをしていて、人柄も良く静香も信頼を寄せている人だった。

あるいはスカイさんだったら、有効な対処法を知っているかも知れない。

知らないとしても、誰にも言えずにいる、この苦しい胸のうちを聞いてもらいたいと言う気持ちもあった。

静香はメールを打ち始めた。

『スカイさん、こんにちは。ティアドロップです。今日はご相談したいことがあり、メールさせていただきました。実は最近・・・』

返信はその日の内にあった。

『ティアドロップさま、スカイです。こんにちは。酷い中傷コメントを書き込まれましたね。とても辛かっただろうと、お気持ちお察し致します。さて、さっそくですが、ティアドロップさんは「アクセス解析」は付けていますか?・・・』

アクセス解析・・・。

静香はパソコンの前で首を捻った。

ブログの標準装備で付けてはいるが、それを付けていると何だと言うのだろう?

メールは続いた。

『アクセス解析を見ると、コメントを書き込んだ人の「IPアドレス」が分かります。「IPアドレス」と言うのは、これはネット上の住所のようなもので・・・』

静香は瞬きすることも忘れて、メールの文字を追った。





~続く~


Crescent氏に盛大なる拍手を!

Crescent氏にお二方からコメントが届いています。

「Crescentさんの作品、楽しみにしていました。でも、しずかちゃんに中傷コメが!どうなるんでしょう?ハラハラしますが、きっと仲間が助けてくれるはず!応援しながら見守りたいと思います。」

「お話の続きを心待ちにしておりました。静香ちゃんのサイト運営が順調なのも束の間、早くも目の前に暗雲が・・・。
二次小説だと解っていても思わず頑張って!と叫びたくなりました。
この先、スッキリとした解決がなされるか否か、ドキドキしながらまた、続きをお待ちしています。」

私も静かに話の行方を見守りたいと思います。

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二次小説【ドラえもん】~虹の彼方に<静香、二次作家への道>4~

「~虹の彼方に<静香、二次作家への道>4~」

作・Crescent



静香の二次創作ブログ「She's Cafe」は、日を追うごとにアクセス数が増えて行った。

話をアップすれば拍手が入り、ポツポツとコメントも来るようになっていた。

『初めまして!たまたま検索して、こちらのブログに辿り着きました。私も原作ドラマの大ファンです。ドラマが終わってしまい淋しく思っていたところに、こんな風に続きを書いて下さるブログがあることを知り、とても嬉しいです。これからも更新、楽しみにしています』

『こんにちは。ティアドロップさんの作るお話を読むことが、最近では寝る前の楽しみになっています。応援しているので頑張って下さい』

(私の書くお話を楽しみにしてくれてる人がいる・・・)

例え、社交辞令だったとしても、静香は嬉しかった。

コメントには、一つ一つ丁寧に返事を書いた。

何度もコメントを書き込んでくれる人とは、自然と親密さが増し、静香は不思議な気持ちだった。

会ったこともない人なのに、何だかすごく昔からの知り合いのような気がする・・・

もしかしたら、同じドラマを好きだと言う共通項が、そう思わせているのかも知れない。

全く顔も名前も知らないパソコンの向こうの人なのに、ドラマの「あのシーン」だけで話が通じると言う不思議さ。

それは、不思議で、素敵で、味わったことのない楽しさを静かにもたらした。

創作活動が少し軌道に乗ってくると、回りを見回す余裕も出来、同じ原作が好きな人が集まる「創作活動サークル」があることも知り、静香は勇気を出して入会した。

それにより、静香のネット上での交友関係は広がり、ますます楽しさが増してくる。

(私が知らなかっただけで、こんなに楽しい世界があったんだわ)

静香は思い

(ネットの世界って、もっと怖いものかのかと思っていた。私ったら心配しずぎだったのね。皆、良い人ばかりだもの)

楽しくて幸せな気持ちは、創作意欲を呼び、更新頻度も少しずつ増えて行ったある日、一通のコメントが入ってきた。

『おまえの書く話は気持ちが悪い』

「・・・・」

静香はパソコンの画面を見たまま、動けなくなった。





~続く~


Crescent氏に盛大なる拍手を!

皆様からの投稿を心よりお待ちしております。


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