二次小説【アンとドラ】~「Solty Rain」~

「Solty Rain」

作・めろんぱんだ


縁あって「虹の国」を探す旅に出たアンとドラだったが

ドラは先を歩いていたアンの異変に気が付いた。

雨足が強まってきたのに、傘もささずに空を仰ぎ立ち止まっていたのだ。

「アン君、どうしたの、気分でも悪い?それに、何だかいつもより顔がふやけているようだけれど雨のせい?」

ドラの問いかけに、アンは力なく首を左右に振って答えた。

「体調のせいでも雨のせいでもないです。悲しくて涙が止まらなかったんです。 辛い別れがあった小さな子供たちのけなげな様子をニュースで見てあまりに辛かったんで……」

うなだれながらアンがこう呟くと、その顔を少し味見しながらドラは

「ホントだ、ちょっとしょっぱい」

と言って、傘を差しかけた。

「傍へ行って慰めの言葉をかけたいですけれど、今は言葉が見つかりません」

「それでいいんじゃないかい? そっとしておくほうが良い時もあるだろうし知らない人に声をかけられても、戸惑うだけだろうし」

「そうですね……」

「ともかく、その顔、洗うか新しい顔に替えてもらうかしたほうが良いよ」

「いや、今は……いいです。それに天然のシャワーがありますし。ドラさん、ごめんなさい、早く『虹の国』に行きたいところですのに」

そう言ってアンは傘を出、再び雨模様の空を仰いだ。

そんなアンに、ドラはやさしい笑みを浮かべて言った。

「気にしなくて良いよ、君がそうしたいなら……」

アンの顔は、涙雨でますますふやけ、いつもより一回り大きく見えた

何とかしてあげたいとドラは途方に暮れるが、今は為す術が見つからない。

そうして小一時間、二人は無言で歩いていた。梅雨時の蒸し暑さに、全身に汗がにじむ。

と、ふいに雲間から光が差してきて雨は小やみになり、涼風が吹いてきた。

「あっ、何だか西の空が明るくなってきたから、きっとすぐに雨が上がるよ」

ドラの言葉に、アンは少しだけ表情を明るくして答えた。

「ええ、きれいな虹が浮かぶと良いですね」

「きっと見えるよ。そして落ち着いたらジャムおじさんに新しい顔をもらいに行こう」

「はい……」

そう言って二人は空を見上げ、まだ見ぬ虹と、『虹の国』とに想いを馳せ穏やかに頷きあった。


 ――了――


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